月下独酌

書き手:吉田勇蔵  diary「日居月諸」もご高読賜りたく→http://y-tamarisk.hatenadiary.com/  twitter@y_tamarisk

2017-01-01から1年間の記事一覧

岩田温・考 ――「リベラルな保守」って何?

***** 目 次 ***** 【若き政治哲学者】 【SNS等での発言】 【「リベラルな保守」って何?】 *************** 【若き政治哲学者】 政治哲学者・岩田温氏の名を初めて知ったのは2012年に産経新聞の新刊書広告を見たときだった。小…

村上春樹『騎士団長殺し』 ―そして父になる

******** 目 次 ********【おや?】【回収されない謎】【再びの地底行と壁抜けの方向】【メタファー論の提起】【「南京戦」の挿入―村上氏の社会的責任】【そして父になるが・・・】【失われた時間軸の行方は?】 ※ ネタバレ有ります。 ※ 引用文…

「敵」を仕立ててボコる人たち

敵を仕立てて民衆を煽る政治手法は、民主主義を貶めるという意味で卑劣である。ヒトラーの例を持ち出すまでもなく、ときに危険ですらある。中国も経済が行き詰まれば、日本を敵に仕立てて民衆を煽るにちがいない。 今世紀の日本では、小泉純一郎首相の政治手…

『沈黙』 ―― 小説と映画

******** 目 次 ********【はじめに】【蝉の声】【母なるもの(1)】【母なるもの(2)】【スコセッシ監督のパトス】【弱き者への眼差し】 【付記― 文学は政治の具に非ず】 ※ 私は『沈黙』の初読も再読も初版単行本の重刷版に依ったが、以…

議論と思考を放棄する人たち――井上達夫バッシング

『朝まで生テレビ!』は、1980年代後半から90年代前半にかけて、録画してちびちび見ていたこともあった。当時としては新鮮な企画であり、物珍しさもあったのだ。近年は殆ど見ることがない。言論の断片が飛び交っているだけだから、貴重な時間をこんな番組の…