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月下独酌

書き手:吉田勇蔵  diary「日居月諸」もご高読賜りたく→http://y-tamarisk.hatenadiary.com/  twitter@y_tamarisk

村上春樹『騎士団長殺し』 ―そして父になる

******** 目 次 ********【おや?】【回収されない謎】【再びの地底行と壁抜けの方向】【メタファー論の提起】【「南京戦」の挿入―村上氏の社会的責任】【そして父になるが・・・】【失われた時間軸の行方は?】 ※ ネタバレ有ります。 ※ 引用文…

「敵」を仕立ててボコる人たち

敵を仕立てて民衆を煽る政治手法は、民主主義を貶めるという意味で卑劣である。ヒトラーの例を持ち出すまでもなく、ときに危険ですらある。中国も経済が行き詰まれば、日本を敵に仕立てて民衆を煽るにちがいない。 今世紀の日本では、小泉純一郎首相の政治手…

『沈黙』 ―― 小説と映画

******** 目 次 ********【はじめに】【蝉の声】【母なるもの(1)】【母なるもの(2)】【スコセッシ監督のパトス】【弱き者への眼差し】 ※ 私は『沈黙』の初読も再読も初版単行本の重刷版に依ったが、以下引用にあたって記すページ数は…

議論と思考を放棄する人たち――井上達夫バッシング

『朝まで生テレビ!』は、1980年代後半から90年代前半にかけて、録画してちびちび見ていたこともあった。当時としては新鮮な企画であり、物珍しさもあったのだ。近年は殆ど見ることがない。言論の断片が飛び交っているだけだから、貴重な時間をこんな番組の…

自衛隊の存在を憲法に明記すれば、それでいいのか

憲法改正の論点はいくつかあるが、ここでは国防の問題について考える。 自衛隊の存在を憲法に明記せよと主張する論者の文章が、今月の産経新聞に立て続けに掲載された。8月16日の西岡力氏(現代朝鮮研究者)及び29日の坂元一哉氏(国際政治学者)のそれぞれ…

鳥越俊太郎騒動から考えること

【はじめに】 この原稿は7月26日にほぼ書き上げていた。都知事選の開票を見てから若干加筆してアップする心づもりだった。そして今加筆している次第である。午後8時ちょうどに、出口調査で小池百合子候補に当確が出た。鳥越俊太郎候補は惜敗ではなく、惨敗…

オープンマインドな憲法論議を         ――「憲法マップ」への疑問

やや旧聞に属するが、4月に発売された『正論SP』(産経新聞社発行の月刊誌『正論』の増刊号)の巻頭近くの色刷りページに、『政治家と知識人 憲法マップ』が掲載されている。政治学者・岩田温氏の作成監修の図で、同氏の解説が付されている。左から右へ「…

憲法改正がなぜ困難なのか

********** 目 次 **********【憲法改正を許さない“空気”】【江藤淳の眼に映っていた戦後日本人の姿】【柄谷行人著『憲法の無意識』を読む】【『憲法の無意識』への疑問】【再び江藤淳の視点からのアプローチ】【憲法論議の様々な位相】…

煽動報道のいやらしさ             ― 核兵器に関する憲法解釈をめぐって

先週3月18日の参議院予算委員会で民主党の白眞勲議員が核兵器の使用は憲法上認められるかという質問をした。これに対し横畠裕介内閣法制局長官は、国内法上及び国際法上の制約を強調し、核兵器の使用は現実の問題として考えられないという趣旨で答えたが、白…

加藤典洋『村上春樹は、むずかしい』を読む

****** 目 次 ******【はじめに】【否定性の否定に漂う哀惜】【否定性と内閉性】【内閉性とデタッチメント】【井戸を掘ることとコミットメント】【社会的責任の自覚】【偏在する壁】【村上春樹にとっての「歴史」】【思想と知性】【大きな主題と…

平和安全法制をめぐる大衆世論の危うさ(1)

長くなったので2分割する ***** 目 次 *****(1)【法案反対の“空気”】【“空気”増幅装置としてのマスコミ】【“空気”に便乗する女性誌】(2)【冷戦終結後の日本の安全保障政策の概観】【三つの選択肢】【日米同盟のアポリア】【憲法上の問題に…

平和安全法制をめぐる大衆世論の危うさ(2)

長くなったので2分割する ***** 目 次 *****(1)【安保関連法案反対の“空気”】【“空気”増幅装置としてのマスコミ】【“空気”に便乗する女性誌】(2)【冷戦終結後の日本の安全保障政策の概観】【三つの選択肢】【日米同盟のアポリア】【憲法上…

大衆からの自立

*** 目 次 *** 【大衆の登場】 【政治家と大衆】 【吉本隆明と「大衆の原像」】 【正面の敵】 ************************************* 【大衆の登場】 今手元にある画集を開いて、ウラジミール・マコフスキーの…

谷崎潤一郎・入門の記

もうずいぶん昔のことになってしまったが、20代の半ばに谷崎潤一郎の『細雪』を読んだ。 私は高校生から大学1年生ぐらいまでの間は、人並程度には小説の類も読んでいたのだが、大学2年生からの4年間は文学作品に触れることがほとんどなかった。再び読むよ…

江藤淳雑感(1)

小谷野敦氏の近著『江藤淳と大江健三郎 戦後日本の政治と文学』(筑摩書房)は刺激的な書である。 若い頃江藤淳を耽読した私にとって、その読書体験を顧みる良い機会となった。 というわけで、思いつくままに以下の文章をしたためた。長くなったので4分割す…

江藤淳雑感(2)

*** 目 次 *** (1) 【とっちゃん坊や】 【昂然とした姿】 【適者生存】 (2) 【「喪失」の時代と「正義」の時代】 【公への責任感】 【ナショナリズムとしてのデモクラシーと国家意識なき日本の戦後民主主義】 (3) 【閉された言語空間】 【親…

江藤淳雑感(3)

*** 目 次 *** (1) 【とっちゃん坊や】 【昂然とした姿】 【適者生存】 (2) 【「喪失」の時代と「正義」の時代】 【公への責任感】 【ナショナリズムとしてのデモクラシーと国家意識なき日本の戦後民主主義】 (3) 【閉された言語空間】 【親…

江藤淳雑感(4)

*** 目 次 *** (1) 【とっちゃん坊や】 【昂然とした姿】 【適者生存】 (2) 【「喪失」の時代と「正義」の時代】 【公への責任感】 【ナショナリズムとしてのデモクラシーと国家意識なき日本の戦後民主主義】 (3) 【閉された言語空間】 【親…